保護犬君を里親として受け入れてから数か月が経って、ふとしたことから、海を見せてやりたいと思い、大好きな自家用車に乗せて、日本海の海を目指しました。もともと、どういう訳か、自動車に乗って窓から顔を出して風に当たることが大好きで、危ないので外に飛び出ない様にリードの長さを調整して、乗せていました。途中彼のためにトイレ休憩を取りながら数時間かけて、やっと日本海が見えてくると、車内ではもう嬉しさを爆発させて大はしゃぎで喜びます。
安全に車を止めてリードをしっかりと確かめたうえで、砂浜に下ろしてやると、思いっきり走り出します。波打ち際に足を濡らしながら、流石に海に中には入りませんでしたが、潮風を感じながら嬉しそうに疾走する姿は、本当に心の底から喜んでいるようで見ているこちらの気持ちも和んできました。人間から酷い扱いを強いられてきた保護犬だったので、これほどまでに楽しげな様子は、涙が出るほど感動を与えてくれました。純真無垢な心を持っている動物たちの、本当に自然な心の表れがひしひしと伝わってくるたびに、忘れてしまっていた何かを思い出させてくれるようで、この子たちから逆に教わることが沢山あると痛感します。
思いやりや優しい思い等、現代の忙しさに紛れて本来大切にしなければならない多くのことを蘇らせてくれます。何気ない日常の日々から、ちょっとした彼らの表情一つで、こちらがどれだけ癒しをもらって心安らぐことが出来ているか、感謝すら感じました。ひとしきり、砂浜を満喫した後に、喉が渇いたのでしょう、持参した水をごくごくと音を立てて飲む姿も頼もしく、連れて来られて本当に良かったと思いました。
仕事にかまけて、時間が取れないことを理由に、あまり遠出は出来なくても、ちょっとしたドライブのついでに一緒にお出かけしようと意識するようになりました。家族が喜ぶ姿を見て、嬉しくない筈はありません。これからは、意識して積極的に連れ出してあげようと思います。